「防衛省」と「防衛庁」の違いって?

POINT
防衛省国土の防衛や災害救助などを担当する、国の中央省庁のひとつ。トップは防衛大臣である。防衛庁の時代に比べ、権限が拡大した。
防衛庁防衛省の前身となった組織のこと。内閣府の外局であったため、中央省庁ではない。内閣府を通さずに予算・政策の提案・要求が行えない。

防衛省の表札

2007年1月、防衛庁が省へと昇格し、防衛省となった。そこで、下記では防衛省と防衛庁の違いについて説明する。

防衛省は中央省庁のひとつ

軍用ヘリコプター

防衛省は防衛大臣を長とする中央省庁のひとつである。すなわち法務省や外務省などと並んで、主任の大臣が国防と自衛隊の管理・運営を担っている組織である。

防衛庁から防衛省へと格上げされることにより、それまでは内閣府のトップである内閣総理大臣を通じなければできなかった重要案件や法律の制定に関する閣議の開催、予算の要求や執行などを直接行えるようになった。

さらに中央省庁となることで、国防に対する国政上の位置づけも向上したといえる。また、それに伴い、自衛隊の任務にPKO(国連平和維持活動)などの国際平和協力活動も加えられることとなった。

防衛庁は内閣府の外局

イージス艦

一方で防衛庁とは、防衛庁長官をトップとする内閣府の外局であった。防衛庁は1954年7月、MSA協定(※)の成立を受け、従来の保安庁を発展・改組して発足した。そして統括下には陸海空自衛隊が設置された。

MSA協定(日米相互防衛援助協定)とは1954年3月に成立した。アメリカが経済援助を受ける代わりに、日本の防衛力を漸増するという協定。

外局とは内閣府や各省の所轄の下に置かれる国の行政機関で、特殊で専門的な業務を行っている場合が多い。外局であった防衛庁は上位に位置する内閣府を通さなければ、内閣に対して予算や政策の要求・提案が行えなかった