【たえる】「耐える」と「堪える」の違いって?

POINT
  • どちらも「たえる」と読むことのできる言葉で、一部の意味が異なっている。
耐える(たえる)
  1. 苦しみや悲しみなどを我慢すること
  2. 外からの物理的な力に負けず、もちこたえること
堪える(たえる)
  1. 苦しみや悲しみなどを我慢すること
  2. 外からの物理的な力に負けず、もちこたえること
  3. 負担や任務などを行う能力があること
  4. わざわざ行う価値があること

石を我慢して支えている人形

耐えると堪えるの違い

耐えると堪えるは、どちらも「たえる」と読める言葉である(※)。これらには共通する意味と違う意味がある。

堪えるは他にも「こたえる」「こらえる」と読める。

耐える堪える
共通する意味(1)苦しみ・悲しみなどに屈せず、じっと我慢すること
(2)外部から加えられる力に屈せず、もちこたえること
違う意味(3)負担・任務などに対応できる能力が備わっていること
(4)わざわざ行うだけの価値があること

耐えるは上記(1)と(2)、簡潔にいうと精神的な我慢物理的な我慢を意味する。

例文
  • 「お局様からの嫌がらせに耐える」 → (1)精神的な我慢
  • 「孤独に耐えきれず、彼に電話をかけた」 → (1)精神的な我慢
  • 「大きな揺れに耐えた建物」 → (2)物理的な我慢

一方で、堪えるは上記(1)(2)に加え、(3)能力がある(4)価値があるという意味を持つ。

例文
  • 「彼はその任に堪える人物だ」 → (3)能力がある
  • 「あの映画は見るに堪えない作品だった」 → (4)価値がある(文脈としては見る価値がない)
  • 「一読に堪える本」 → (4)価値がある

ただし、共通する意味(1)(2)については、「耐える」を使うのが一般的である。「堪える」を使用するのは、上記(3)(4)の意味と捉えてよい。

まとめ

耐える(たえる)堪える(たえる)
比較物1〇精神的に我慢すること
〇物理的に我慢すること
△精神的に我慢すること
△物理的に我慢すること
〇能力があること
〇わざわざする価値があること

△印の意味において「堪える」は使わないのが普通