「法令」と「条例」の違いって?

POINT
法令一般的に、国会で制定された法律内閣・各省庁からの命令などをひっくるめた意味を持つ言葉である。
条例都道府県や市町村などが独自に定める法のこと。「法令」に違反しない内容であることなどが求められる。

国会議事堂

広い概念を持つ「法令」 その中に条例が含まれることも

「法令」とは非常に広い概念であり、明確な定義があるわけではない。一般的に、法律(※1)および政令(※2)や省令(※3)といった“命令”の総称のことを呼ぶ。

条例や他の規則などを含むこともあり、ひとことで「法令」という言葉が出てきた場合には、文脈によって判断する必要がある。

1 法律:国会の議決を経て制定された規範のこと。

2 政令:内閣が制定した命令のこと。

3 省令:各省の大臣が発した命令のこと。

ただし、上級機関が所管の機関や職員に対して出す“通達”や、国もしくは地方公共団体が行う通知である“告示”などについては、「法令」には含まれないと考えられている。なお、「法規」という言葉も、「法令」と同様の意味として使われている。

条例は地方公共団体が定めている

これに対して条例には、明確な定義が存在している。条例とは憲法第94条に基づき、地方公共団体が議会の議決によって制定する法のことである。「法令」に違反せず、国の事務に関するものでなければ、都道府県や市町村ごとに制定することができる。

例えば、東京都には『東京都青少年の健全な育成に関する条例』という条例が存在する。これによると、18歳未満の者は深夜に外出してはいけないと定められている。さらに16歳未満の者を深夜に連れ出すなどした場合には、30万円以下の罰金が科せられる。

なお都道府県条例と市町村条例との関係だが、規律の対象者が同じである場合、市町村条例は都道府県条例に反する内容を定めることができない。