「わび」と「さび」の違いって?
POINT
さび | ものなどが古びて、味わいがあること。見た目の美しさを指す。 |
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わび | 「さび」の美しさを見出す心のことをいう。内面の豊かさを指す。 |
「わび」「さび」はいずれも、日本特有の美意識を表す言葉である。「わびさび」と一括りにして使われることが多いことから、両者の意味は混同されやすい。
記事の目次
「さび」とは
「さび」は、見た目の美しさについていう言葉である。
「さび(寂び)」とは本来、古びる・色あせる・枯れるなどといった表面的な変化をネガティブに捉えるだけの言葉だった。
しかし鎌倉・室町時代以降、ポジティブな意味も生まれた。この世のものは時間が経つにつれ、さびれたり、欠けたりする。そういった変化を「劣化」とは捉えず、むしろ美しいと捉える価値観が生まれたのである。
そこから「さび」とは、古びて味わいがあるという意味でも使われるようになった。
「わび」とは
これに対して「わび」とは、「さび」の美しさを見出す心のことを指す言葉である。
「わび(侘び)」も本来は、気落ちする・思い通りにならない寂しさといった内面のネガティブな部分についていう言葉であった。
しかし、こちらも鎌倉・室町時代以降に肯定的な意味合いへと変化した。すなわち、簡素・閑寂な趣を楽しむことのできる境地を意味するようになったのである。
まとめ
- さび:見た目の美しさ
- わび:内面の豊かさ
→表裏一体の価値観