「懲役」と「禁錮」の違いって?

POINT
懲役刑務所内において、労働を強制される刑罰のこと。禁錮よりも重い刑罰とされている。
禁錮刑務所内において、労働を強制されない刑罰のこと。本来ならば拘置されるだけで良いが、本人が希望すれば作業を行うこともできる。

有刺鉄線

両者の共通点

懲役と禁錮は、いずれも刑法に規定されている自由刑という点では共通している。自由刑とは受刑者の自由を奪い、拘禁施設内に収容する刑罰のことである。

また、いずれの刑にも無期と有期(1ヶ月以上20年以内)がある。そして有期は30年まで増やすことができ、さらに1カ月未満に短縮することができる点でも同様である。

両者の違い

労働の義務

懲役は刑務所内において、刑務作業を行うことが強制されている

その作業内容は多種にわたり、例えば木工や金属、洋裁などがある。これには個々の適性に応じた職業訓練を行うことにより、出所後の更生に役立てる目的もある。

なお、作業時間は1日8時間以内、4週間で168時間以内と定められており、作業に従事すると作業賞与金が支給される。

これに対して禁錮では、こういった刑務作業を行う義務は負わない。刑務所内に拘置されるだけである。ただし、希望者は作業に従事することができる。

刑罰としての重さ

懲役と禁錮、刑法上ではどちらの方が刑罰として重いのかというと、懲役の方である。

禁錮の方が軽い刑とはいえ、実際に刑務所内において何もしないというのも酷である。そのため、自主的に刑務作業を希望するケースが多いという。

なお、一般的に禁錮の判決が出やすいのは、政治犯や交通事故を起こした場合などに多い。

まとめ

懲役禁錮
禁錮
  • 刑法に規定されている自由刑
  • 無期と有期がある
相違点
【労働の義務】
ありなし
※希望者は作業を行える。
相違点
【刑罰の重さ】
重い軽い