「デニム」と「ジーンズ」と「ジーパン」の違いって?

POINT
デニム色糸と白糸を使った丈夫な綾織物のこと。普通、生地のことを指す。
ジーンズデニム生地(=ジーンズ生地)でできたズボンを表す英語
ジーパンデニム生地(=ジーンズ生地)でできたズボンを表す和製英語

ジーンズのアップ

概要

デニムとは

デニムには、

  1. 縦糸に色糸、横糸に白糸を使った丈夫な綾織物のこと
  2. 1の生地から作ったズボンのこと

といった意味がある。なお、語源はニーム産のサージ(serge de Nîmes)(※1)であるとされている。

1 ニームはフランス南部にある商工業都市。サージは綾織りの洋服地のこと。

ジーンズとは

ジーンズとは、

  1. 細綾織りの丈夫な綿布のこと(=デニム生地)
  2. 1の生地から作った衣服のこと/特にズボンのことを指す

といった意味がある。なお、語源はジーンズが最初に作られたイタリアの港湾都市・ジェノバであるとされている(※2)。そしてジーンズはやがて、デニムの生地を指すようになった。

2 Genes(中世フランス語) → Jene/Gene(中世英語) → jean(現代風綴り)

ジーパン(Gパン)とは

ジーパンとはジーンズパンツの略(※3)で、ジーンズ生地(=デニム生地)で作ったズボンのことを表す和製英語である。似たような語としては、ジージャン(※4)がある。

3 ジーアイパンツの略という説もある。ジーアイ(GI)とは、米陸軍の兵士の俗称。戦後、日本に駐留していた兵士たちが、ジーンズ製のズボンを履いていたことに由来している。

4 ジーンズジャンパーの略を意味する和製英語。英語ではjean jacketと呼ぶ。

デニムとジーンズとジーパンの違い

上記からもわかるように、「デニム」「ジーンズ」「ジーパン」の三者は、少しずつ意味が被っている言葉である。しかし厳密に言うと、下記のような違いがある。

一般的な意味

  • デニム:生地
  • ジーンズ・ジーパン:ジーンズ生地(=デニム生地)でできたズボン

概要では二つの意味を説明したが、一般的に「デニム」とだけいうと、丈夫な綾織物の生地のことを指す。すなわち「デニムのパンツ」「デニムのジャケット」「デニムのスカート」というふうに、どういった形に加工されるかはわからない。

デニム生地

デニム生地

これに対して、一般的に「ジーンズ」というと、ジーンズ生地(=デニム生地)から作ったズボンのことを指す。さらに「ジーパン」とも同じ意味である。つまりジーンズとジーパンは、ズボンの形をしているものを指す。

ジーパン

ジーパン

英語か否か

それでは、ジーンズとジーパンの違いが問題となる。まずジーンズ(Jeans)は、海外でも通じる英語である。

これに対してジーパンは、戦後日本で生まれた和製英語である。よって海外では通じない。なお、デニム(denim)も英語である。

まとめ

 デニムジーンズジーパン
意味生地(デニム・ジーンズ製の)ズボン
英語×(和製英語)