【音楽】「ハーモニー」と「ユニゾン」の違いって?

POINT
ハーモニー2つ以上の高さの違う音を重ねて調和を作り出すことをいう。音楽以外の場面でも様々なものが調和している時に使われる。
ユニゾン2つ以上の同じ音を重ねることをいう。また、同じメロディを複数の人が歌ったり楽器で演奏したりすること。

鍵盤

言葉の意味

ハーモニー

音楽用語としてのハーモニー

ハーモニー解説図

2つ以上の高さの違う音を重ねたものを「和音」と呼び、その進行などの配置のことを「ハーモニー」と呼ぶ。西洋音楽では音楽を構成する3つの要素として「ハーモニー(和声)」「メロディ(旋律)」「リズム(律動)」があげられる。この3つの要素が音楽に感動をもたらすものとされる。

また、日本における俗語として合唱やポップスなどのジャンルで主旋律に対応するように調和のとれたメロディを当ててハーモニーにすることを「ハモる」と言う。

音楽以外でのハーモニー

ハーモニーとは、ギリシャ語のハルモニア(Harmonia)に由来する調和を意味する言葉で、幅広くいろいろなものごとが調和しているという意味で使われる。旨味が調和している様子や色彩の調和など、特に美的表現として使われることが多い

ユニゾン

ユニゾン解説図

ユニゾンは「一つの音」という意味を持つ言葉で、音程の中でも同じ音を重ねることをいう。他にも、いくつかの人の声や楽器が同じ音でメロディを演奏することでもある。ユニゾンによって力強さや美しい響きの効果を得ることができる。

日本語では複数人で同じメロディを歌うことを「斉唱(せいしょう)」、楽器の場合は「斉奏(せいそう)」と呼ぶ。式典などで行われる国歌斉唱もユニゾンである。

オクターブ解説図

広い意味では、全く同じ音程だけでなく、1オクターブ(※)違う音も含める。

オクターブとは、「ドレミファソラシド」のように区切られた音階で8番目の音のことで、「ド」から8番目の音「ド」同士は同じ音階に聞こえるため、ユニゾンとされている。

言葉の使い方

ハーモニー

パンケーキ

違うピッチを重ねてハーモニーを作る
ピッチとは音の高さのことで、ハーモニーは違うピッチを重ねることによって作られる。
ハーモニーの勉強をするために和声学を学ぶ
ハーモニーは、その組み合わなどの理論のことを学術的に「和声理論」といい、和声「和声学」ではその理論を追求する。
仲間の歌声に合わせてハモる
ハーモニーに「る」をつけ、動詞化させた俗語。主旋律に異なる調和の取れるメロディを組み合わせてハーモニーを作ることを「ハモる」という。
パンケーキの甘みとベーコンの塩気が絶妙なハーモニーを奏でる
複数のものが相互に影響を与え合いながら、調和が取れているような意味で使われる。例文のような美味しさを表現するような場面以外にも、さまざまな場面で使われる。
ユニゾン

合唱

男性と女性のユニゾンが美しい
この場合、全く同じ音程である厳密なユニゾンである場合と、1オクターブ違う同じメロディを歌っている「オクターブユニゾン」の場合がある。これは男女の声の高さが違っても響きが同質になることからユニゾンと捉えられ、男女以外にも音域の違う楽器のオクターブ違いなどでも頻繁に使われる。
あのアイドルグループはユニゾンの曲が多い
特に現代のポップスなどでは、同じメロディを複数人で「ユニゾン」で歌うグループと、主旋律から違う音程の調和の取れたメロディで「ハモる」グループと対比して使われる場合がある。

音楽におけるユニゾンとハーモニー

ハーモニー

西洋音楽においての音楽を構成するのは、音の高さが上下しながら流れを生み出す「メロディ」、重ねられた音(和音)の関係とその展開から作られる「ハーモニー」、音の強弱や長短などによる「リズム」、の3つの要素が重要だとしている。

高さが異なる二つ以上の演奏音を組み合わせることを和音(コード)といい、ハーモニーの場合はこの和音から和音の進行までを含む。和音がどのように進行するか各パートの配置などの組み合わせでつくられるものがハーモニーと呼ばれる。

ハーモニーの歴史は、13世紀頃から起こった「対位法」から始まる。一つのメロディに対して他のメロディを同時に奏でることが行われた。対位法においてはそれぞれのメロディが独立していると感じられるように工夫した。

15世紀から16世紀には、音の積み重ねとしての和音が存在しているということが意識されるようになった。さらにそこから和音同士をいかにして進行し、組み合わせるかが重大な関心となったことでハーモニーを理論的に議論するようになったといわれる。

ユニゾン

音楽理論において音と音の高さの違いは「音程」といい、その違いは「度」で表わされる。その中で、同じ音を重ねることを「ユニゾン」「同度」「一度」などと呼ぶ。そこから転じて、同じメロディを歌うことも「ユニゾン」と呼ぶようになったと言われている。

オーケストラや合唱などの楽譜においては「div(ディビジ)」と対になって「unis(ユニス)」という記号で使われる。ディビジは一つのパートを分けて引くという指示で、さらにそれを元の一つのパートに戻す時にユニスが使われる。主に弦楽器のパートや合唱などに使われる。