「憲法」と「法律」の違いって?

POINT
憲法国の最高法規。国家が守るべきルールで、改正に国民投票が必要である。
法律憲法のもとに定められた法規。国民が守るべきルールで、改正に国民投票は不要である。

日本国憲法の本

憲法と法律の違い

憲法と法律は、ともに公的に定められた法規であるが、下記のような違いがある。

憲法は国の最高法規

憲法は国の最高法規であり、法律は憲法のもとに定められた法規をいう。両者を比べると、憲法が上位、法律は下位である。

制限を加える対象

憲法には、国家権力に対して制限を加える力がある。つまり、国家が守るべきルールといえる。具体的には、基本的人権の尊重や国民主権、戦争の放棄などが定められている。なお、日本に憲法は一つ(日本国憲法)しかない。

一方で法律には、国民生活に対して制限を加える力がある。つまり、国民が守るべきルールといえる。例えば刑法や民法、商法など数多くの法律が存在する。ただし法律は、憲法に違反するような内容であってはならない。

この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

「日本国憲法第第九十八条1項」より

日本における改正手続

投票する人たち

憲法は、国家の基本構造を定める最高法規であるため、頻繁に改正されるものであってはいけない。よって憲法の改正には、簡単にできないような手続(国民投票が必要)が求められる。

この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

「日本国憲法第九十六条1項」より

一方で、法律は必要に応じて改正できるよう、憲法の改正と比べて簡易な手続(国民投票は不要)で足りる。具体的には、国会(衆参両院)で出席議員の過半数の賛成(衆議院の再議決は3分の2など例外あり)が必要となる。

まとめ

憲法法律
法規の位置づけ国の最高法規憲法より下位
制限を加える対象国家国民
改正手続
  1. 各議院の総議員の3分の2以上の賛成
  2. 国民投票で過半数の賛成

→国民投票が必要

衆参両院で出席議員の過半数の賛成
→国民投票は不要