「消防署」と「消防団」の違いって?

POINT
  • どちらも市町村などに設置される消防組織のこと。
消防署常備の組織。消防士の立場は地方公務員。消防士になるには採用試験に合格しなくてはならない。
消防団非常備の組織。消防団員の立場は非常勤特別職の地方公務員。消防団員になるのに採用試験はない(ただし条件を満たす必要がある)。

消防隊員の人形

消防署と消防団の違い

消防署と消防団は、どちらも市町村などに設置される消防組織である(消防組織法)。消火活動や救急活動、水防活動、平時における災害予防の広報活動などを任務とする。

  • 消火活動:火災の鎮圧など
  • 救急活動:災害時の人命救助・応急救護など
  • 水防活動:風水害時の水位の警戒・土のう積みなど

常備・非常備

消防団の位置づけ解説図

出典:総務省消防庁「消防団の概要と位置づけ

消防署は常備の消防組織である。一般的には消防本部(市町村の消防活動を統括する機関)の下に設置される。

一方で、消防団は非常備の消防組織である。地元の有志たちで構成される自治的な組織だが、消防本部や消防署と連携して活動を行う。

わずか(平成29年4月1日時点では1.7%)ではあるが、消防団のみ存在する自治体もある。そういった非常備町村では、消防団が全面的に消防活動を行っている。

消防士・消防団員の立場

消防署に所属し、消防活動を行う者を消防士という。消防士の立場は地方公務員である。消防士になるには、自治体が実施する採用試験に合格し、消防学校に入校しなくてはならない。

一方で消防団に所属し、消防活動を行う者を消防団員という。消防団員の立場は非常勤特別職の地方公務員であり、普段はそれぞれの職業に就いている。消防団員になるには年齢など、自治体が定める条件※を満たす必要があるが、採用試験はない。

例:東京都の入団条件“①年齢18歳以上の方 ②健康な方 ③消防団の区域内に居住、勤務又は通学している方 ”(引用:東京消防庁)

まとめ

 消防署消防団
常備/非常備の組織常備非常備
消火活動にあたる者の地位【消防士】地方公務員(専業)【消防団員】非常勤特別職の地方公務員
(別に本業がある)
消防士・消防団員になるには採用試験合格・消防学校入校自治体が定める条件を満たす