「保存」と「保管」の違いって?

POINT
保存傷みやすい・なくなりやすいものをそのままの状態に保つこと。ビジネス上では、あまり使わなくなった書類を事務所のに置いておくことをいう。
保管壊れたりなくならないように、管理しておくこと。ビジネス上では、よく使う書類を事務所のに置いておくことをいう。

ファイルを取る瞬間

保存と保管の違い

保存と保管は、あとのためにとっておくという点では同じである。

基本的な意味

保存とは、傷みやすい・なくなりやすいものをそのままの状態で保つことをいう。

「保存」の例
  • データを保存する
  • 文化財の保存
  • 保存食 など

一方で保管とは、壊したりなくならないように、管理しておくことをいう。

「保管」の例
  • 貴重品を金庫に保管する
  • 機密文書の保管
  • 食糧の保管場所 など

「保存」「保管」のどちらを使っても構わない場合もある。しかし保存では、物の質の維持に重点が置かれ、保管は物の管理に重点が置かれている。

「保存」「保管」どちらでも良い例
  • 薬剤を保存する
  • 薬剤を保管する

書類・文書管理における違い

ビジネス現場における書類・文書の管理上、保存と保管を以下のように呼び分けている。

保存とは、使用頻度の低い書類・文書を事務室外(外部倉庫など)に置いておくことをいう。一定期間、とっておくことが法律によって定められている書類・文書(法定保存文書)などは、上記の状況下で保存される。保存期間は法定期間によって異なり、原則として原本のみが保存される。

一方で保管とは、使用頻度の高い書類・文書を事務室内(キャビネットなど)に置いておくことをいう。身近な環境に置いておくことで、書類・文書を管理しやすくなる。保管期間は原則として1年で、原本のみならず非原本も保管される。

【参考】文書のライフサイクルとは?

社内等で取り扱う書類・文書は、下記の「文書のライフサイクル」に従って管理される。

  • 発生 → 活用 → 保管保存 → 抹消

まとめ

保存保管
基本的な意味傷みやすい・なくなりやすいものをそのままの状態で保つ(物の質の維持に重点)壊したりなくならないように、管理しておく(物の管理に重点)
ビジネス上の書類・文書管理使用頻度低い高い
とっておく環境事務所外事務所内
とっておく期間法定保存期間原則1年
とっておく物原則として原本のみ原本+非原本