「ディベート」と「ディスカッション」の違いって?

POINT
ディベートあるテーマについて、肯定派・否定派に分かれてする討論のこと。勝ち負けがあり、厳格なルールがある賛否両論に分かれるようなテーマが選ばれる。
ディスカッションあるテーマについて、自由に意見を出し合う議論のこと。勝ち負けはなく、特にルールもない明確な答えがないようなテーマが選ばれる。

ディベートをする外国人

概要

議論する人たち1

ディベートとは

ディベートとは特定のテーマを決め、肯定側と否定側に分かれて行う討論のことである。具体的には、

  1. 賛否両論のテーマを設定する
  2. 直前に肯定側と否定側に分かれる
  3. 決められた順番・時間内で発表する
  4. 第三者が勝ち負けを決める

というルールに則(のっと)って、第三者により説得力がある主張をしたと思わせた側が勝つゲームといえる。

ディスカッションとは

ディスカッションとは、自由に意見を出し合う議論のことである。ディベートのようなルールは存在せず、共通の結論を導き出すために行われる話し合いといえる。

ディベートとディスカッションの違い

議論する人たち2

ディベートとディスカッションは、人が意見を言い合う点では共通するが、下記のような点については違いがみられる。

勝ち負けの有無

ディベートには勝ち負けがあるが、ディスカッションには勝ち負けがない。

ディベートは、とあるテーマに対し、肯定側と否定側の2チームに分かれて意見を戦わせる。最後は審判や観客が、どちらのチームが優れていたかを判断するため、必ず勝ち負けが決まる

一方でディスカッションでは、とあるテーマに対し、あらかじめ肯定側と否定側に分かれて意見を戦わせることはない。審判や観客といった、どちらが優れていたかを判断する第三者も存在しないため、基本的に勝ち負けは決まらない

ルールの有無と個人の自由度

ディベートには厳格なルールが存在し、個人の自由度は低い。他方で、ディスカッションには特にルールは存在せず、個人の自由度が高い。

ディベートは上述の通り、厳格なルールが存在する。とりわけ特徴的なのは、肯定側と否定側に分かれる際、個人の意見は関係ないという点である。個人的な主張としては肯定側だったとしても、じゃんけんなどの結果によっては否定側に割り振られることがある。これはディベートが、自分とは異なった価値観を受け入れることなどを目的としているためである。

一方でディスカッションには、ディベートのようなルールは存在しない。とりわけ議論のテーマに対して、個人の意見を自由に述べることができる。肯定・否定、もしくは中立や一部反対など、思った通りの立場をとることが可能である。

テーマ選び

ディベートは賛否両論のテーマが設定されるが、ディスカッションは明確な答えがないようなテーマが設定されやすい。

ディベートは肯定側・否定側の立場に分かれて行う必要があるため、下記のような最初から賛否両論の意見が出やすいテーマが選ばれる。

  • ビニール袋を有料にすべきか
  • 我が社は通信販売に注力すべきか
  • 大学の授業料は無料にすべきか

一方でディスカッションは肯定側・否定側の立場に分かれて行う必要はないため、下記のような明確な答えがないテーマが選ばれやすい。

  • 深刻化する環境問題に対して私たちができることは何か
  • 我が社の利益改善のためには何が必要か
  • 少子化問題を解決するためにはどうしたらよいか

培える力

ディベートおよびディスカッションによって培(つちか)えるといわれるものは、下記の通りである。

ディベートディスカッション
  • 自分とは違った考え・価値観を受け入れる力
  • 論理的思考
  • 切り返しの能力 など
  • 発想力
  • 論理的思考
  • コミュニケーション能力 など

まとめ

ディベートディスカッション
意味肯定側・否定側に分かれて行う討論自由に意見を出し合う議論
勝ち負けありなし
ルールありなし
個人の自由度なしあり
テーマ賛否両論のテーマ明確な答えのないテーマ
培える能力自分とは違う考え・価値観を受け入れる力 など発想力 など