「カヌー」と「カヤック」の違いって?
カヌー | パドル(櫂:かい)で漕ぐ、原始的な小舟の総称。カヌーは片側に水かき(ブレード)が付いたパドルを使い、デッキは開いているのが特徴。 |
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カヤック | カヌーの一種。両側に水かきが付いたパドルを使い、デッキは座席以外閉じているのが特徴。 |
記事の目次
概要
カヌーとは
カヌーとは、舵や竜骨(りゅうこつ)(※)がない、原始的な小舟のことをいう。パドル(櫂:かい)で漕ぐことによって前に進む。
船底の中心にある、船首から船尾まで支えている部材のこと。
カヌーを大別すると、2種類に分けることができる。
- カナディアン・カヌー:インディアンなどが移動手段のために使っていた「丸木舟」を起源とするもの
- カヤック:木枠を組んで獣皮などを張った舟を起源とするもの(詳しくは後述)
ここからわかるように、カヤックはカヌーの一種である。ただし「カヌー」と「カヤック」をあえて区別する場合、「カヌー」はカナディアン・カヌーのことを意味する。
カヤックとは
カヤックとはカヌーの一種で、木の枠組みの上にアザラシやトナカイの皮を張った小舟のことをいう。もとはエスキモー(イヌイット)やネイティブアメリカンが、水上の猟に用いていたものである。
今日のスポーツ用のカヤックには、ゴムやポリエチレン、FRP(繊維強化プラスチック)などの素材が利用されており、軽くて転覆しにくい造りになっている。
カヌーとカヤックの違い
上述したように、カヤックはカヌーの一つである。しかし両者をあえて区別する場合、下記のような違いがある。
水かき(ブレード)
まず挙げられるのは、水かき(ブレード)の違いである。
- カヌー:シングルブレードパドル
- カヤック:ダブルブレードパドル
カヌーは水をかくブレードが、パドルの片方だけについた「シングルブレードパドル」を使用する。そのため進行方向を変える際には、パドルを持ちかえる必要がある。ただし二人の場合は、左右のブレードを分担して漕ぐことができる。
一方でカヤックは、水をかくブレードがパドルの両側についた「ダブルブレードパドル」を使用する。そのため進行方向を変える際にも、パドルを持ちかえることなく、漕ぐことができる。
船体(デッキ)
また両者は、船体(デッキ)の開き具合も異なっている。
- カヌー:オープンデッキ
- カヤック:クローズドデッキ
カヌーは船体が開いた「オープンデッキ」である。これは(カナディアン)カヌーが移動手段として使われていたことに由来するもので、多くの荷物を積み込むのに適している。
一方でカヤックは座席の部分以外が閉じられた「クローズドデッキ」である。これはカヤックが海上での狩猟に使われていたことに由来するもので、強度が高く、浸水しにくくなっている。
まとめ
カヌー(カナディアン・カヌー) | カヤック | |
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パドル | シングルブレードパドル | ダブルブレードパドル |
デッキ | オープンデッキ | クローズドデッキ |