「カップル」と「アベック」の違いって?

POINT
カップル夫婦や恋人同士など、一組の男女のこと。
もとは英語であり、今でも主流となっている言葉である。同性の恋人同士にも使う。目の前に二人がいなくても使える表現。
アベック
  1. 恋人同士
  2. 二つのものが同じ行動をとること

もとはフランス語であり、今は死語となった言葉である。同性の恋人同士には使わない。目の前に二人がいるときに使う表現。

二人のシルエット

概要

カップルとは

カップルとは一対・一組という意味であるが、特に一組の男女(夫婦・婚約者同士・恋人同士など)のことをいう。

アベックとは

アベックには、大きく二つの意味がある。

  1. 男女の二人連れ、特に恋人同士のこと(=カップル)
  2. 二人もしくは二つのものが、同じ行動をとること (例:アベック優勝・アベックホームラン)

カップルとアベックの違い

繋いだ手

カップルとアベックは恋人同士などの意味では共通する外来語だが、下記のような違いがある。

言語

外来語として日本に定着したカップルとアベックだが、もとの言語に違いがみられる。もともとカップル(couple)は英語、アベック(avec)はフランス語であった。

英語のカップルにも、一組の男女という意味がある。そのため、日本のカップルという意味でcoupleを使っても意味は通じる。他方でアベックはフランス語で「…とともに、一緒に」という意味の前置詞(英語のwithに相当)である。そのため、日本のアベックという意味でavecを使っても意味は通じない、和製仏語である。

使われた時代

カップルとアベックは、使われた時代が異なる。現在、恋人同士を表す言葉としての主流はカップルであり、アベックは死語となっている。

アベックが使われ出したのは、大正時代末期からという説がある。昭和初期に流行(はや)りだし、1970~80年代頃までは使われていた。その後、アベックに代わって主流となったのがカップルである。

 同性同士にも使えるか

カップルとアベックは、同性同士にも使えるか否かという点でも異なる。

アベックは同性同士の恋人同士には使わない。アベックという言葉が流行った時代は、多様性が認められる時代ではなかったことが理由と考えられる。他方で、今もなお主流のカップルという言葉は、同性同士の恋人同士にも使える

 二人は目の前にいるか

カップルとアベックは「目の前に二人がいるかどうか」によって使い分けができる。

アベックは「今、前を通ったアベックが……」というように、主に目の前に二人がいるときに使う。他方でカップルは「昨日のカップルはお似合いだったね」というように、目の前に二人がいなくても使える。

まとめ

カップルアベック
意味一組の男女
  1. 男女の二人連れ
  2. 二人・二つのものが、同じ行動をとること
もとの言語英語のcoupleフランス語のavec
(和製仏語のため、現地では通じない)
使われていた時代現在も主流大正末期~昭和末期頃
(現在は死語)
同性の恋人同士にも使える使わない
目の前にいない二人にも使える使わない