「口約束」と「契約」の違いって?

POINT
口約束口頭で行う約束のこと。口約束だけでも契約することはできるのが原則となっている。
契約当事者の合意によって法的な効果が発生する約束のこと。

握手する人

法的な効果は一緒

イメージが異なる両者だが

「契約」とは、売買や交換などについて、当事者の合意によって成立する法律行為のことである。一般的には署名・捺印をした契約書を取り交わし、法律的な責任が生じるという堅めの印象がある。

これに対して「口約束」とは契約書などを作らず、口頭のみで約束することである。よくプライベートなどで見られる。

「契約」を結ぶと法的な責任が生じるため、必ず守らなければいけない。それとは違い「口約束」には法的な責任は生じないことから、必ずしも守らなければいけないものではない、といったイメージを持つ人もいる。

「契約」するには「口約束」でもOK

このように、「契約」と「口約束」の間には法的な違いがあるかのような思い込みを持ちがちであるが、実際には一緒である。

例えばお店に服を買いに行った際などに、わざわざ契約書を交わすことはない。購入の意思を伝えて提示された金額を支払い、商品を受け取るだけである。ということで、原則として(※)「口約束」だけでも「契約」は成立する。

保証契約など、書面を取り交わしていないと成立しない契約も存在する。

「口約束」はトラブルに弱い

いずれも当事者間の合意があるため、どんな「契約」であっても「口約束」で済ませることもできる。

しかし「口約束」には問題があり、もしトラブルが起こった場合には証拠がないということである。裁判で争うことになっても、客観的な証拠を提出することができない。

これに対して契約書や注文書、見積書等の書類が残っている場合、これらは証拠となり得る。予期されるトラブルを未然に防ぐため、できるだけ契約書を残しておいた方が良いとされている。