「カレッジ(college)」と「ユニバーシティ(university)」の違いって?

POINT
  • どちらも日本語で大学を意味する言葉だが、国によってその意味が異なっている。
カレッジ
(college)
日本では単科大学といわれる。
アメリカでは大学院課程のない小規模の大学、カナダでは実践的なスキルなどを学ぶ教育機関、イギリスでは大学の自治組織などを指す。
ユニバーシティ
(university)
日本では総合大学といわれる。
アメリカでは大学院課程のある大規模な大学、カナダでは学問を学ぶ機関(=大学)、イギリスでは大学のことを指す。

二人の大学生

カレッジ(college)とユニバーシティ(university)の違い

カレッジとユニバーシティは、日本語で「大学」を意味する点では同じである。日本国内でよくいわれる一般的な違いがある一方、各国ではさまざま使い分けがなされている。

一般的な違い

日本国内では、カレッジとユニバーシティの違いは、下記のように説明されるのが一般的である。

カレッジは単科大学を指す。単科大学とは、一つの学部からなる大学を意味する。

他方でユニバーシティは、総合大学を意味する。総合大学とは、複数の学部からなる大学である。

海外における使い分けはさまざま

海外では、国によってカレッジとユニバーシティの違いはさまざまである。なお、下記で紹介する違いは一般的なものであって、例外も存在する。

アメリカ

ハーバード大学

ハーバード大学

アメリカのカレッジは複数の学部・研究科がなく、大学院課程を設けていない大学をいう。いわば小規模の大学である。

“複数の学部がない=単科大学(単一の学部しかない)”という意味ではなく、専門に特化せず、幅広い学問を学べる場を意味する。

他方で、アメリカのユニバーシティは複数の学部・研究科があり、大学院課程を設けている大学をいう。いわば大規模の大学である。細分化・専門化された学問を学べる場を意味する。

例えばハーバード大学は、Harvard Universityである。創立当初はHarvard Collegeであったが、時代のニーズに応えて専門課程を増やした結果、Universityとなった。しかし、現在でもハーバード大学内にはHarvard Collegeが存在し、幅広い学問の教育を担っている。

なお、アメリカでは「大学生」のことを、”college student”と呼ぶのが一般的である。

カナダ

トロント大学

トロント大学

カナダでいうカレッジは“Community College”という教育機関であり、就職に有利となる実践的なスキル・知識を身に付ける場を意味する。

多くは1~2年制であるが、日本でいうところの短期大学ではなく、専門大学と呼ぶほうがふさわしい。

他方で、カナダのユニバーシティは大学のことであり、学問を学ぶアカデミックな場を意味する。なお、カレッジからユニバーシティへの編入も可能である。

イギリス

ケンブリッジ大学

ケンブリッジ大学

まずイギリスのユニバーシティとは、大学のことである。

他方でイギリスのカレッジには、さまざまな意味がある。例えば、大学の自治組織や大学進学のための学校などである。

多くの伝統的な大学(=ユニバーシティ)では、教授や学生が所属して学習・研究を行う自治組織(=カレッジ)が設けられている。これらカレッジの集まりをユニバーシティと呼ぶ。

またカレッジは、大学入学準備のために16~18歳が通う公立学校(シックス・フォーム・カレッジ)を指すこともある。

まとめ

カレッジ
(college)
ユニバーシティ
(university)
一般的な違い一つの学部からなる大学(単科大学)複数の学部からなる大学(総合大学)
アメリカ複数の学部・研究科なし
大学院課程なし
小規模
複数の学部・研究科あり
大学院課程あり
大規模
カナダCommunity College(実践的なスキル・知識を身に付ける場)大学(学問を学ぶアカデミックな場)
イギリス大学の自治組織
大学進学のための学校
など
大学