「お中元」と「お歳暮」の違いって?
- 日頃お世話になっている人へ、贈り物をすること。
お中元(ちゅうげん) | 贈る時期は夏。ルーツは中国の道教とされる。暑い夏でも食べやすい品物が喜ばれる。表書きは時期により「御中元」「暑中御見舞」「残暑御見舞」などとする。 |
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お歳暮(せいぼ) | 贈る時期は年末。ルーツは御霊祭とされる。一般的にはお中元よりも少し高めの金額の贈り物をするのが良いとされ、年末の集まりで食べやすい品物が喜ばれる。表書きは時期により「御歳暮」「御年賀」「寒中御見舞」などとする。 |
記事の目次
お中元とお歳暮の違い
お中元とお歳暮は、日頃お世話になっている人に品物を贈ること、その贈答品という意味では同じである。両者をあわせて「盆歳暮(ぼんせいぼ)」と呼ぶほどであるが、下記のような違いもみられる。
贈る時期・由来
お中元を贈る時期は7月上旬から8月15日頃まで、お歳暮を贈る時期は12月上旬から25日頃までが一般的である(地域によっては開きがあるので注意)。お中元とお歳暮は、そもそも時期を意味する言葉であった。
中元とは?
中元のルーツは、中国の道教にある。道教の暦法では下記の日をまとめて「三元」と呼び、重要視してきた。
- 陰暦1月15日・・・上元(じょうげん):人に福を与える神の誕生日
- 陰暦7月15日・・・中元(ちゅうげん):人の罪を許す神の誕生日
- 陰暦10月15日・・・下元(かげん):人の厄災をはらう神の誕生日
中元は日本に伝来すると、仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)の贈答習慣(主に家族間)と融合した。現在のように、夏の贈り物として定着したのは、明治30年代からと意外と歴史は浅い。百貨店などが売り上げの落ち込む夏の時期、大売り出しを行うようになってからである。
歳暮とは?
歳暮とは、もともと年の暮れを表す言葉である。年の暮れになると、年神様や祖先の霊にささげるためのお供え物を持ち寄る習慣(=御霊祭)があった。お歳暮のルーツは、帰省することができない子どもや遠方の親戚などが、本家にお供え物を贈ったことにある。
贈る金額・品物
お中元とお歳暮を比較すると、お歳暮のほうが重視される風潮がある。お中元とお歳暮をどちらも贈る場合には、お歳暮のほうにお金をかける(2~3割増)のがマナーとされている。
お中元には、下記のような暑い夏にピッタリの品が喜ばれる。
- ビール・ジュース
- ゼリー・アイスクリーム
- そうめん・そば・うどん
- 季節の果物(スイカ・メロン・マンゴーなど)
一方でお歳暮には、下記のような年末の家族・親戚の集まりで食べられるような品が喜ばれる。
- かに・ふぐ
- 高級肉・ハム・ソーセージ
- ビール・日本酒
熨斗(のし)の表書き
お中元とお歳暮では、熨斗(のし)の表書きも異なる。
お中元の表書きには、
- 7月上旬から7月15日 → 「御中元」
- 7月16日から8月8日(立秋) → 「暑中御見舞」「暑中御伺い(※)」
- 8月9日以降 → 「残暑御見舞」「残暑御伺い(※)」
などと書くのが一般的である。
目上の人に贈る場合
一方で、お歳暮の表書きには、
- 12月上旬から12月25日頃 → 「御歳暮」
- 1月1日から1月7日 → 「御年賀」
- 2月4日頃(立春)まで → 「寒中御見舞」
などと書く。12月25日を過ぎてしまう場合は、新年を待ってから贈るのが一般的である。また、お歳暮として贈れなかった旨を手紙・電話などでわびるのがマナーとされる。
まとめ
お中元 | お歳暮 | |
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共通点 | 日頃お世話になっている人に感謝を込めて贈る | |
贈る時期 | 7月上旬~8月15日頃 | 12月上旬~25日頃 |
由来 | 道教の三元 | 御霊祭 |
贈る金額の比較 (お中元を1とする) | 1 | 1.2~1.3 |
人気の贈り物 | ビールやゼリーなど、暑い夏でも食べやすい品 | カニや高級肉など、大勢で食べやすい品 |
熨斗の表書き |
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