【ちんじ】「珍事」と「椿事」の違いって?
POINT
珍事 | 思いがけない珍しいできごと。 |
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椿事 | 思いがけない重要なできごと。 |
記事の目次
使い分け
珍事
思いがけない、めったにない、珍しいこと。また困ったことの意味でも使われ、その場合おもしろおかしいニュアンスで使われる。
単に珍しいことだけを指すため、できごとが重要なことかどうかは関係がない。
現在は「椿事」の意味でも「珍事」でまかなわれることがある。
椿事
不意をつかれた思いがけない「一大事」。
ただ珍しいだけでなく、その出来事によってなにか変化がもたらされるような重大なことの場合に使われる。
用例
- 創立以来の珍事
- 創立してからいままで起こったことのなかった、珍しいこと・困ったこと。
- 創立以来の椿事
- 創立してからいままで起こったことのない思いがけない大事。
漢字の違い
珍事
珍の字は、めずらしい・めったにない・普通とは違うという意味。予想外のことという意味やめずらしい貴重な体験という意味から「おもしろおかしい体験」のニュアンスでも多く使われる。
椿事
「椿事」という言葉は日本で近世以降に使われ始め、その由来にはいくつか説がある。
荘子(そうし)に書かれている中国の伝説の大木「大椿(だいちん)」が花を咲かせることがめったにないからということからきている説や、もとは「樁」だったという説、「闖入(ちんにゅう)」の闖に当てたという説などがある。
「珍事」が中世から使われている熟語なのに対し、「椿事」は日本独自の熟語で近世より使われはじめたもので、その由来ははっきりしていない。