「金属器」と「青銅器」と「鉄器」の違いって?

POINT
金属器青銅器鉄器をあわせた言い方。
青銅器銅(銅と錫(すず)の合金)で作られた道具。加工は簡単
鉄器鉄で作られた道具。加工は難しい

銅鐸と銅矛

概要

金属器の分類

金属器とはその名の通り、金属で作られた道具のことである。「石器(石で作られた道具)」や「土器(粘土を焼いて作った器)」と並ぶ概念であり、さらに「青銅器」と「鉄器」に区分することができる

青銅器と鉄器の違い

材質

青銅器
銅鏡

銅鏡(どうきょう):祭祀用の道具

青銅器は青銅で作られた道具(容器・武器・装身具など)のことをいう。青銅とは銅と錫(すず)の合金を指す。青銅は加工が容易であり、人類は有史以前からこれを使用してきた。

一方考古学で「青銅器」というと、青銅だけではなく、鉛・ヒ素・ニッケルなどを含む場合もある。

鉄器
鉄鋤

鉄鋤(てつすき):土を掘ったりかき寄せたりする道具

鉄器はで作られた道具(器具・機械など)のことをいう。加工には高度な技術が必要であるため、青銅器よりも登場時期は遅い。

主に使用された時代

時代区分

人類文化を、使っていた道具によって分類する方法(デンマークのトムセン提唱)がある。具体的な年代は世界の各地域によって異なるが、一般的には青銅器時代が先であり、鉄器時代は後である(※)。なお、青銅器時代と鉄器時代をあわせて「金属器時代」ということもある。

日本には青銅器時代はないとされている。これは青銅器と鉄器が、ほぼ同時期(弥生時代)に流入したからである。

しかし、鉄器が使われるようになっても、青銅器は引き続き使われた。鉄はさびやすいため、装身具などには青銅器を使うほうが好ましかったからである。

古代の日本においても、鉄器は鉄剣や鉄鋤といった実用品として、青銅器は銅鐸(どうたく)や銅鏡といった祭器として使い分けられていた。

銅鐸

銅鐸

まとめ

金属器
分類青銅器鉄器
材質青銅(銅と錫の合金)+α
加工のしやすさしやすいしにくい
時代の順番青銅器時代→鉄器時代