「アクセント」と「イントネーション」の違いって?

POINT
アクセント単語ごとに付ける、音の高低や強弱のこと。アクセントをつけると、単語の意味や切れ目などがわかる。
イントネーション文章ごとに付ける、音の上がり下がりの調子のこと。イントネーションをつけると、肯定や疑問などといった文章の意味がわかり、また話し手の感情も伝わる。

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概要

アクセントとは

アクセントとは単語ごとに、社会的慣習として定められた、相対的な音の高低・強弱(※1)のことをいう。

アクセントをつけることによって、単語の意味や他の単語との切れ目を理解することができる。

1 音の高低もしくは強弱のどちらを用いるかという点は、言語体系によって異なる。例えば、日本語は高低によるもの(=高さアクセント)、英語は強弱によるもの(=強さアクセント)である。

例1 日本語(東京弁)「あめ」
  • 「あ」を高い音で、「め」を低い音で発音した場合 →  
  • 「あ」を低い音で、「め」を高い音で発音した場合 →  あ
例2 英語「混同しやすいデザートと砂漠」
  • dessert(デート → 食べ物):【発音記号】dɪzˈɚːt(米国)dɪzˈəːt(英国)
  • desert(ザート → 砂漠):【発音記号】dézɚt

→どの部分に強弱を付けるかによって、単語の意味が明確になる。

イントネーションとは

イントネーションとは息の切れ目ごとにみられる、音の上がり下がりの調子のことをいう。

日本語では「抑揚」といい、社会的慣習として定まっているものである。イントネーションをつけて話すことによって、意味の違いや話し手の感情などを理解することができる。

例3 「一緒に行きます」
  • 語尾を下げた場合 → 肯定文
  • 語尾を上げた場合 → 疑問文

アクセントとイントネーションの違い

両者は言葉を発する際に用いる、音の高低などのことを指している点では共通している。しかし下記の点については、違いがみられる。

基本単位

両者はまず、対象となる単位が異なる。

  • アクセント:単語・単語結合
  • イントネーション:文章

まずアクセントは単語(もしくは単語結合)ごとに定まった、高低もしくは強弱の付け方である。一方でイントネーションとは文章ごとに定まった、高低もしくは強弱の付け方である。

機能

また両者は、異なる機能を持っている。

  • アクセント:同音語の区別・言葉の切れ目を認識させる
  • イントネーション:肯定や疑問といった意味の違いを認識させる・感情の起伏を表す

アクセントには同音語を区別する機能(※2)、そして言葉の切れ目を認識する機能(※3)がある。

2 上記、概要-アクセントとは例1を参照。

3 例えば「にわにはにわにわとりがいる」という文章は、それぞれの単語にアクセントを付けることによって、理解が可能となる。

一方でイントネーションには、肯定や疑問といった意味の違いを表す機能(※4)、そして話し手の感情の起伏を表す機能(※5)がある。

4 上記、概要-イントネーションとは例3を参照。

※5 例「そうですか」
  • 語尾を下げた場合 → 納得しているように聞こえる
  • 語尾を上げた場合 → 納得していない、怒っているように聞こえることも

まとめ

アクセントイントネーション
基本単位単語もしくは単語結合文章全体
機能
  • 同音語の単語を区別できる
  • 単語と単語の切れ目を把握できる
  • 肯定・疑問などの意味の違いを表すことができる
  • 感情を表すことができる