「未来」と「将来」の違いって?
POINT
未来 | 客観的な表現として使われることが多い。現在よりも、ずっと遠い先を指す。副詞のようには使えない。 |
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将来 | 主観的な表現に使われることがある。未来と比べると、現在に近い先を指す。副詞のように使える。 |
記事の目次
未来と将来の違い
未来と将来は、いずれも時間的に、現在よりもあとを指す。英語では、どちらも”future”と表現できる。両者は、入れ替えても不自然でない場合もあるが、下記のような違いもある。
客観的か否か
未来は、現在・過去と対立する概念であり、時間的位置を客観的に表現するときに用いられることが多い。
- 例
- 「過去の憎しみを、未来にまで持ち越してはならない」
→純粋に、時間的位置を表している。
一方で将来は、人・国・団体の主観的な表現に用いられることがある。特に、プラスの意味が含まれる場合がある。
- 例
- 「将来の夢は、医師になることです」
→「将来」を、時間的位置を表す「未来」に置き換えるのは不自然 - 「君には将来がある」
→時間的位置のほか、プラスの意味(この場合、「君」には明るい将来が待っていると読み取れる)も含まれている。
- 「将来の夢は、医師になることです」
現在との近さ・遠さ

現在との時間的位置関係のイメージ
現在との時間的距離を考えた場合、未来は遠い時間的位置に、将来はそれよりも近い時間的位置に使うのが自然である。
- 例
- 「1000年後の未来を予想することは難しい」→ 自然
- 「1000年後の将来を予想することは難しい」→ 不自然
- 「近い未来」→ 不自然
- 「近い将来」→ 自然
リアリティのないほど遠い先には未来、リアリティがある先には将来を使うと違和感がない。
副詞的に使うか
将来には副詞的な用法があるが、未来にはそういった用法はない。副詞とは、動詞・形容詞・文などを修飾する語である。
例
- 例
- 「未来、ビジネスで成功したい」→ 不自然
- 「将来、ビジネスで成功したい」→ 自然
上記は「ビジネスで成功したい」という文章を、未来と将来が修飾しているが、前者は不自然、後者は自然な表現である。
まとめ
未来 | 将来 | |
---|---|---|
共通する意味 | 現在よりも時間的位置があとであること | |
客観的or主観的 | 客観的 | 主観的 |
現在との時間的距離 | 遠い | 近い |
副詞的用法 | なし | あり |