「一卵性双生児」と「二卵性双生児」の違いって?
一卵性双生児 | 一つの受精卵からできる双子のこと。遺伝子が同じため、性別や血液型も同じになる。 |
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二卵性双生児 | 二つの受精卵からできる双子のこと。平均して50%程度の遺伝子が同じになり、性別や血液型は同じになるとは決まっていない。 |
記事の目次
一卵性双生児について
一卵性双生児とは?
一卵性双生児とは一つの受精卵から誕生する双子のことをいう。
細胞分裂の過程で受精卵が何らかの原因によって二つに分かれ、それぞれが一人の胎児へと成長する。
もとは一つの受精卵であったため、遺伝子はまったく同じである。そのため性別・血液型も同じになる。
なお、一卵性双生児ができる確率はおよそ0.4%とされている(自然妊娠の場合)。
一卵性双生児の妊娠
一卵性双生児を妊娠しているときの状態には、基本的に2種類ある。(二絨毛膜二羊膜は二卵性双生児の場合)
- 一絨毛膜一羊膜(いちじゅうもうまくいちようまく):胎盤が一つ、羊膜も一つの状態。
- 一絨毛膜二羊膜(いちじゅうもうまくにようまく):胎盤は一つだが、羊膜は二つの状態。
出典:和歌山県立医科大学 産科婦人科「多胎妊娠」
一つの胎盤を二人の胎児で共有するため、栄養や酸素が均等に行き渡らず、胎児の成長が偏ってしまうことがある。その場合、成長に差が出てしまうので慎重な管理が必要となってくる。
さらに同じ一卵性双生児であっても、一絨毛膜一羊膜である場合は一絨毛膜二羊膜とは違い、胎児同士を仕切る壁がない状態となっている。そのためお互いにぶつかったり、へその緒がからまったりする可能性がある。
なお一卵性双生児の場合、双子を妊娠したと判明する時期は6~7週頃といわれている。遅くとも11週頃までにはわかるそうである。詳しくは後述するが、一卵性双生児は胎嚢(たいのう)(※1)が一つなので二卵性双生児の場合よりも判断(※2)に時間を要する。
1 赤ちゃんを包む袋のことで、超音波検査で確認することができる。成長すると羊膜に分化していく。
2 二卵性双生児は胎嚢の数で双子と判断することができるが、一卵性双生児は鼓動が二つあることが確認されるまで判断できない。
二卵性双生児について
二卵性双生児とは?
二卵性双生児とは、同時に二つの受精卵を妊娠することで誕生する双子のことをいう。
二つの卵子が何らかの原因によって排卵され、それぞれが別の精子と受精することで胎児へと成長する。
このように二卵性双生児は別々の受精卵から発生するため、胎児同士の遺伝子は異なる(平均して50%程度の遺伝子が同じ)。そのため一卵性双生児とは違い、性別・血液型は異なる場合がある。容姿も一卵性双生児に比べると、似ていないことが多い。
日本人に二卵性双生児ができる確率は自然妊娠の場合、およそ0.2~0.3%。不妊治療を受けた場合にはおよそ4~25%にまで上昇するといわれている。
二卵性双生児の妊娠
二卵性双生児を認識しているときの状態は、二絨毛膜二羊膜(※3)だけである。胎盤が二つに分かれているため、栄養や酸素が偏るおそれはないといわれている。
なお二卵性双生児の場合、双子を妊娠したと判明する時期は胎嚢が二つであると確認できる妊娠5週目頃である。
3 胎盤が二つ、羊膜も二つの状態。
まとめ
以上の内容を簡単にまとめると、下記のようになる。
一卵性双生児 | 二卵性双生児 | |
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受精卵の数 | 一つが途中で二つに分かれる | 最初から二つ |
遺伝子 | 同じ | 異なる |
性別 | 同じ | 異なる場合あり |
血液型 | 同じ | 異なる場合あり |
確率 | 【自然妊娠】0.4% | 【自然妊娠】0.2~0.3% 【不妊治療後】4~25% |
膜性 | 一絨毛膜一羊膜 一絨毛膜二羊膜 | 二絨毛膜二羊膜 |
確認できる時期 | 6~7週頃(遅くても11週) | 妊娠5週目~ |