「溶解」と「融解」の違いって?

POINT
溶解
(ようかい)
気体・固体・液体が、他の液体もしくは固体に溶けること。溶けても物質の構造は変化せず、均一に混ざり合っている。
融解
(ゆうかい)
結晶の構造を持つ固体が、溶けて液体になること。溶けるときに、物質の構造が変化する

溶けている氷

溶解と融解の違い

溶解(ようかい)と融解(ゆうかい)は、物質が溶けるという意味では一緒である。

溶けるものの「物質の状態」

水蒸気

水蒸気

溶解と融解は、溶けるものの「物質の状態」が異なる。なお、物質の状態(物質の三態)とは、下記のことである。

  1. 気体:水蒸気など
  2. 液体:水など
  3. 固体:氷など

まず溶解は、気体・固体・液体が、他の液体もしくは固体に溶けることをいう。

【溶解の例】
食塩水(食塩+水)・青銅(銅+スズ) など

他方で融解は、結晶性の固体(=原子・分子・イオンなどが空間的に規則正しく配列している固体)が溶けて液体になることをいう。

【融解の例】
氷が溶けて水になる現象 など

なお、結晶性ではない固体が液体になることは「軟化」と呼ぶ。

【軟化の例】
プラスチック、ガラス、アスファルト など

物質の構造に変化はあるか

「物質が溶ける」という表現には、物質の構造が変化しているものとそうでないものがある。

溶解は、物質の構造に変化はない。食塩水を例にとってみると、食塩の構造に変化はなく、水という液体と混ざり合って均一な状態となる。

溶解のイメージ

溶解のイメージ

他方で融解は、物質の構造に変化がある。氷を例にとってみると、熱などによって氷の構造が変化し、水という液体になる。氷という物質自体が姿を変えているのである。

融解のイメージ

融解のイメージ

まとめ

溶解融解
融解気体or液体or固体+液体or固体結晶性の固体→液体
物質の構造変化なし変化あり