「急」と「突然」と「いきなり」の違いって?
POINT
急(急に) | 何の前触れもなく、事が起こる様子。事柄の発生の過程などに着目した表現として使われることがある。 |
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突然 | 「急(急に)」と同様、何の前触れもなく、事が起こる様子という意味。事柄の発生そのものに着目した表現として使われることがある。 |
いきなり | 何の前触れもなく、事が起こる様子という意味のほか、普通ならそうであろうという手順を踏まないで次の段階に行くという意味もある。 |
記事の目次
共通する意味
「急(急に)」「突然」「いきなり」の3つは、物事が何の前触れもなく起こる様という意味においては共通している。
- 例
- 「子供が(急に/突然/いきなり)飛び出してきた」
この文章の場合、3つのどれを当てはめても同様の意味となる。
急と突然といきなりの違い
踏むべき段階を踏まない「いきなり」
「いきなり」には上記の意味のほか、一般的に予想される手順を経ることなく、次の手順を踏むという意味もある。
- 例
- 「時間がないため、いきなり本番という事態になってしまった」
本来であれば、練習を経てから本番を迎えるものである。しかしこの場合は、練習を経ることなく、本番を迎えてしまっている。
瞬間的で状況が変わりすぎる「突然」
「突然」は事態の発生そのものに着目している表現であり、その事態の発生が瞬間的であること・事態が発生する前と後の断絶が激しいという意味合いもある。
- 例
- 「突然、その橋は崩壊した」「突然、彼らを恐怖が襲った」
「急(急に)」は進行の過程に注目
これに対して「急(急に)」は、事態の発生の進行過程に着目した表現であり、発生の仕方が予想外で、発生前後の差が大きいという意味合いがある。
- 例
- 「急に天気が悪くなってきた」「急に方向を変える」
他にも「急(急に)」には、それまでの事柄の傾斜などが大きくなるという意味もある。
- 例
- 「急に売上が伸びた」「水深が急に深くなった」