【ソース】オイスター、ウスター、中濃、濃厚ソースの違いって?

POINT
オイスターソース中国発祥のソースで、牡蠣(かき)から作る。独特の香り・濃厚なうま味がある。
ウスターソースイギリス発祥のソースで、野菜や果物などから作る。サラサラしており、スパイシーな味わいである。
中濃ソースウスターソースの一種だが、ウスターソースよりもとろみがあるスパイシーさと甘みのバランスの良い味わいである。
濃厚ソースウスターソースの一種だが、強いとろみがある。甘みのある味わいである。

小皿にソース

「オイスターソース」と「ウスターソース」と「中濃ソース」と「濃厚ソース」の違い

原材料(「オイスターソース」と「ウスターソース」の違い)

「オイスターソース」「ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」は、原材料によって大きく2つのグループに分けられる。

  1. オイスターソース:牡蠣(かき)
  2. ウスターソース・中濃ソース・濃厚ソース:野菜・果物

まずオイスターソースとは、(1)牡蠣の煮汁を煮詰めるもしくは(2)塩漬けにした牡蠣を発酵することによってつくる調味料である。中国・広東(かんとん)省発祥のため、広東料理によく用いられる。オイスター(oyster)とは英語で牡蠣のことで、牡蠣油や蠔油(ハオユー)とも呼ばれることもある。

牡蠣

牡蠣

一方で「ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」とは、野菜(トマト・玉ねぎなど)や果物に香辛料などを加え、煮込んでつくる調味料である。詳しくは後述するが、中濃ソースと濃厚ソースは、いずれもウスターソースの一種である。

玉ねぎ

玉ねぎ

ウスターソースはイギリスのウースターが発祥で、日本国内では日本人の好みに合わせた商品が販売されている。単に「ソース」と呼ばれることも多い。

とろみ(「ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」の違い)

次に、「ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」の違いである。原材料が同じである三者の違いは、とろみ(粘度)にある。

「ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」の関係

「ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」の関係

三者はJAS規格において、以下のように区分されている。

  • ウスターソース:ウスターソース類(※1)のうち、粘度が2Pa・s(※2)未満のもの
  • 中濃ソース:ウスターソース類のうち、粘度が0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満のもの
  • 濃厚ソース:ウスターソース類のうち、粘度が2.0Pa・s以上のもの

1 ウスターソース類の定義

次に掲げるものであつて、茶色又は茶黒色をした液体調味料をいう。
1 野菜若しくは果実の搾汁、煮出汁、ピューレー又はこれらを濃縮したものに砂糖類(砂糖、糖みつ及び糖類をいう。以下同じ。)、食酢、食塩及び香辛料を加えて調製したもの
2 1にでん粉、調味料等を加えて調製したもの

引用:農林水産省「ウスターソース類の日本農林規格」より

2 Pa・s(パスカル秒)は粘度の単位。

すなわち最もサラサラなのがウスターソース最もとろみが強いのが濃厚ソース、その中間くらいのとろみがある中濃ソースである。これらは、野菜などの繊維質が残った量の違い(少ない→とろみが少ない、多い→とろみが強い)による。

風味・使い分け

「オイスターソース」「ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」は、一般的に下記のように使い分けられている。

オイスターソースには、牡蠣独特の香り・濃厚なうま味があり、とろみも強い。中国の調味料といったこともあり、チンジャオロースチャーハンといった中華料理に使うことが多い。

チンジャオロース

ウスターソースにはうま味・酸味・辛みがあり、スパイシーな商品が多い。揚げ物や料理の隠し味などに使われる。また中濃ソースは、スパイシーさと甘みのバランスが良い揚げ物千切りキャベツなどにかけることが多い。

揚げ物

濃厚ソースは甘みが強く、スパイシーさは控えめである。とんかつお好み焼きなどにかけることが多い。なお、「とんかつソース」「お好み焼きソース」「焼きそばソース」といった商品名で販売されているソースの多くは、濃厚ソースに分類される。

広島焼き

まとめ

オイスターソースウスターソース中濃ソース濃厚ソース
発祥中国・広東省イギリス・ウースター
原材料牡蠣野菜・果物
粘度(とろみ)の比較
(とろみは強い)
低い中間高い
風味・使い分け牡蠣独特の香り・濃厚なうま味
→中華料理など
スパイシー
→揚げ物・料理の隠し味など
スパイシーさと甘みのバランス〇
→揚げ物・キャベツの千切り
甘みが強い
→とんかつ・お好み焼きなど