「政治家」と「代議士」の違いって?
政治家 | 議員など、政治に携わる人 |
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代議士 | 国会議員のうち、衆議院議員のことを表す俗称。 |
記事の目次
概要
政治家とは
政治家には職業として政治に携わる者のこと。多くは議員(※1)のことを指す。
1 国会だけでなく、地方議会の議員も含む。
代議士とは
代議士とは、国民から選挙で選ばれて、国政に参加する人(=国会議員)のことをいう。国会議員には衆議院議員と参議院議員がいるが、そのうち衆議院議員のことを指すのが一般的である。
政治家と代議士の違い
上述した通り、政治家と代議士はいずれも「政治に携わる者」という点では共通している。しかし、下記の点については違いがみられる。
範囲の違い
まず両者は、言葉の指し示す範囲が異なる。
- 政治家:広い(国会議員・地方議会議員・地方公共団体の長など)
- 代議士:狭い(衆議院議員のみ)
「政治家」という言葉が指し示している範囲は広い。国会だけでなく、地方議会を構成する議員も政治家である。さらに議員だけでなく、地方公共団体の長(※2)やその候補者までもカバーする言葉である。
2 都道府県知事・市町村長
一方で「代議士」は一般的に、国会議員の中でも衆議院議員のみのことを指す。
代議士と呼ばれるようになった理由
衆議院議員が代議士と呼ばれるようになったのは戦前の帝国議会の名残である。当時は衆議院と貴族院の二院制であり、それぞれの議員の選出方法は以下のようになっていた。
- 衆議院議員:選挙
- 貴族院議員:互選・勅命など
衆議院議員については現在と同様、選挙によって選出されていた。すなわち「国民を代表して議する」ことから、代議士と呼ばれるようになったのである。
一方で貴族院議員は、互選や天皇からの勅命など(※3)によって選出されていた。すなわち貴族院議員は、国民の代表者であるとは言えなかった。
3 議員の全員が互選・勅命によって選出されるわけではない。皇族や公・侯爵は一定の年齢に達すれば、全員が貴族院議員となった。
しかし戦後になると貴族院は参議院となり、それを構成する議員も選挙によって選ばれるようになった。つまり、参議院議員も国民を代表する存在であると言える。だが、現在でも慣習として、衆議院議員のみを代議士と呼んでいる。