「歯垢(プラーク)」と「歯石」の違いって?

POINT
歯垢(しこう)細菌の塊のこと。歯ブラシが届きにくい場所に付きやすく、虫歯や口臭を引き起こす原因となる。歯磨きなどで取れる
歯石(しせき)歯垢を放置した結果、硬くなったもの。歯ブラシが届きにくい場所や唾(だ)液腺の近くに付きやすく、歯周病を引き起こす原因となる。歯磨きなどでは取れないので、歯医者で取ってもらうことになる。

歯のイメージ

歯垢と歯石の違い

歯垢が石灰化すると歯石に

歯垢(別名:プラーク)とは、細菌の塊(かたまり)である。

食事をとってからから4~8時間後、食べカスをエサとする細菌が繁殖することにより発生する。歯垢1mgあたり10億個もの細菌が存在すると言われている。爪で歯の表面を軽くこすると取れる、白くてネバネバしたものが歯垢である。

他方で、歯石とは歯垢が硬くなったものである。歯垢を構成している細菌が死に、唾液中のカルシウムなどの働きによって石灰化してできる。歯垢を放置しておくと、2日ほどで歯石に変化する。舌で歯に触れたとき、ザラザラしているものが歯石である。

さらに歯石は、他の細菌やその死骸(=歯垢)が付着することによって、どんどん大きくなっていく。

汚れた歯のイラスト

付着しやすい場所

歯垢は奥歯・歯と歯の間・歯と歯茎(はぐき)との境目など、歯ブラシが届きにくい場所に付着しやすい。

その点は歯石も同様であるが、特に唾液腺の近く(下の前歯の内側・上の奥歯の外側など)に付着しやすい。

引き起こす症状

歯垢を放置しておくと、虫歯や口臭などを引き起こす原因となる。

細菌が酸を作り出して歯の表面のエナメル質を溶かし、硫化水素などのガスを発生させるからである。

一方、歯石は放置しておくと、さらに細菌が繁殖して歯周病(歯肉炎・歯周炎など)を引き起こすおそれがある。

セルフケアの可否

歯垢はセルフケアが可能だが、歯石はできない。歯垢は自宅で丁寧にブラッシング等することにより、除去できる

一方、硬くなってしまった歯石を自宅で除去することはできない(歯科医院等で器具を使って除去する)。

そこで歯石になる前、すなわち歯垢の時点で取り除くことが大切である。とはいえ、セルフケアだけでは限界がある。歯石を除去するため、定期的に歯科医院でクリーニングしてもらうことが望ましい。

まとめ

歯垢歯石
発生食後4~8時間で発生歯垢を2日ほど放置しておくと発生
正体細菌の塊歯垢が石灰化したもの
付着しやすい場所歯ブラシが届きにくい場所歯ブラシが届きにくい場所+唾液腺の近く
引き起こす症状虫歯・口臭歯周病
セルフケアできるできない
(歯科医院で除去)