「犬歯」と「八重歯」の違いって?

POINT
犬歯食べ物を切り裂く役割を持った、長くとがった歯のこと。多くの人は4本持っている。
八重歯正常な歯並びから外れ、他の歯に重なるように生えた歯のこと。人によってはなる場合がある。特に、犬歯はこれになりやすい。

口元の写真

犬歯と八重歯の違い

犬歯と八重歯は、よく同じ意味で使われることが多い。しかし両者は本来、別の意味を持っている。

「犬歯=八重歯」ではない

  • 犬歯:切歯と臼歯の間にある歯のこと
  • 八重歯:他の歯に重なって生えている歯のこと

まずは犬歯とは、哺乳類の歯のうち、切歯(せっし/食べ物を噛みきるなどの役割)と臼歯(きゅうし/食べ物をすりつぶすなどの役割)の間に生えている歯のことをいう。

上下一対、左右に合計4本が存在しており、食べ物を切り裂く役割を持っている。

歯の名称の図

犬歯はすべての歯の中で最も長く、先はとがっているのが特徴である。つまり犬歯は、ほとんどの人にある歯と言える。なお、肉食動物ではこれが発達して“牙”になる。

他方で八重歯とは、正常な歯並びからずれてしまい、他の歯に重なるように生える歯のことをいう。

すなわち八重歯は、犬歯とは違い、特定の歯のことを指しているわけではない。そして八重歯は、なる人とならない人がいる。この点について、詳しくは後述する。

犬歯は八重歯になりやすい

八重歯のイメージ

八重歯のイメージ

本来両者は、まったく別のものを指していることがわかったと思う。しかし、両者が同じ意味として使われることが多いのは、犬歯は八重歯になりやすいためである。

乳歯から永久歯へと生え変わる際、

  1. 乳切歯
  2. 乳臼歯
  3. 乳犬歯

の順番で抜け落ちる(上あごの場合)。

その後、永久歯が生えてくるわけだが、あごが小さい人の場合だと、最後の犬歯が生えるスペースがないことがある。

すると犬歯は正常な位置ではなく、他の歯に重なるように生えてくることになる。よって、犬歯は八重歯になりやすいのである。

まとめ

犬歯八重歯
意味切歯と臼歯の間にある歯他の歯に重なるように生えている歯
多くの人が持っているか?
(4本)
×
(あごの小さい人などは、犬歯がなりやすい)