「温室効果ガス」と「二酸化炭素」の違いって?
POINT
温室効果ガス | 地表から出ていく熱を吸収してしまう気体のこと。このガスの急激な増加が、地球温暖化の原因と考えられている。 |
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二酸化炭素 | 温室効果ガスとして挙げられる気体のひとつ。地球温暖化への影響力は最も大きいと考えられている。 |
記事の目次
二酸化炭素は温室効果ガスのひとつ
温室効果ガスとは太陽光線は通すものの、地球が放出する熱エネルギーは吸収してしまう性質を持つ気体のことである。例えば二酸化炭素やメタンなどが挙げられる。
種類 | 性質など | 排出源 |
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二酸化炭素(CO2) | 温室効果ガス総排出量の大部分を占める。 | 石油や石炭など化石燃料の燃焼 |
メタン(CH4) | 天然ガスの主成分 | 地表からの放出・家畜の呼気など |
一酸化二窒素(N2O) | 大気中での寿命が121年と長い。 | 海洋・土壌・工業活動からの放出 |
この気体が大気中に増加することによって地表の熱が大気圏の外に放出されなくなり、結果として地球の気温が上昇するという温室効果がもたらされる。
それだけでなく海面の上昇や異常気象、生態系の破壊なども懸念されている。
出典:気象庁「温室効果とは」
二酸化炭素は地球温暖化への影響が最も大きい
二酸化炭素は、それらの温室効果ガスの中でも地球温暖化への影響が最も大きいと考えられている。なぜなら温室効果ガス総排出量の約75%を二酸化炭素が占めているからである
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター「温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量」
排出量が急増した二酸化炭素
二酸化炭素自体は物を燃やすと発生する物質で、ごくありふれた気体である。しかし大気中の濃度が高まると、温室効果ガスとして作用する。
世界では産業革命後、二酸化炭素の排出量が急激に増加したと言われている。その原因としては化石燃料の使用による増加だけでなく、二酸化炭素を吸収する森林の減少も考えられる。
京都議定書
このような状況への対応として世界では、1997年に「気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)」、いわゆる京都会議が開催された。この会議において、各国における温室効果ガスの具体的な削減目標などを盛り込んだ京都議定書が定められた。
京都議定書自体は画期的な取り決めであったが、温室効果ガスの排出量が多い発展途上国には削減義務が課されず、またそれを不服としたアメリカが不支持を表明するなどの問題もあった。