「マンガン電池」と「アルカリ電池」の違いって?

POINT
  • ともに化学電池で、使い切りタイプの一次電池である。+(プラス)極に二酸化マンガン、―(マイナス)極に亜鉛を使用している。
マンガン電池休み休み使用すると電圧が回復することから、連続では使用しない機器や、微弱な電流で使う機器に向いている。
アルカリ電池電流のパワーが大きく、連続で使用する機器に向いている。

様々な電池

マンガン電池とアルカリ電池の比較表

 マンガン電池アルカリ乾電池
価格安い高い
パワー小さい大きい
使用できる期間短い長い
電圧の回復休み休み使用すると回復するしない
使用に向いている機器微弱な電流で使用する機器や連続で使用しない機器
例)時計、懐中電灯、リモコン、キッチンタイマーなど
大きな電流を必要とする機器
例)音楽プレーヤー、LEDライト、おもちゃなど
液漏れ電解液が中性に近いため、液漏れをしても金属を腐食させず、触れても皮膚への被害も少ない電解液のアルカリ濃度が高いため、端子部は腐食し、触れた場合は皮膚を痛める可能性がある
電解液弱酸性の塩化亜鉛アルカリ性の水酸化カリウム
充電不可
自然放電常温・常湿保管で1年間に約3%~5%くらい自然放電する
保管温度は10℃から25℃くらいが望ましく、水気がないところ
廃棄(リサイクル)居住地域の地方自治体の収集方法によって異なる

内部構造

マンガン電池


マンガン電池の内部構造

+(プラス)端子
金属のキャップを取りつける。
ガスケット
液漏れや乾燥を防ぐために、プラスチック製のガスケットを亜鉛缶の蓋として取り付け、密封する。
正極集電体
電気を集めるための炭素棒を亜鉛缶の中心に入れる。
+(プラス)極の材料
二酸化マンガンや、電解液としての塩化亜鉛の合剤を亜鉛缶に充填する。
セパレーター
+(プラス)極の材料と-(マイナス)極の材料がショートしないように亜鉛缶のまわりと底に巻く。
亜鉛缶
電池の材料を入れる容器であり、-(マイナス)極の材料でもある。
樹脂チューブ
絶縁と液漏れ防止もために亜鉛缶に巻きつける。
メタルジャケット
亜鉛缶~樹脂チューブまでを入れる。
-(マイナス)端子
金属の底板を取りつける。

アルカリ電池


アルカリ電池の内部構造

+(プラス)端子
電池の形に作った正極缶がそのまま+(プラス)端子にもなる。
-(マイナス)極の材料
亜鉛の粒と強アルカリ液を混ぜあわせた合剤を充填する。
電解液
水酸化カリウム水溶液などの強アルカリ液で、電気を発生させるためにセパレーターに染み込ませる。
セパレーター
+(プラス)極の材料と-(マイナス)極の材料がショートしないように+(プラス)極の材料の内側にセパレーターを入れる。

+(プラス)極の材料
二酸化マンガンやカーボンなどを混ぜたものをリング状にし、正極缶にぴったりとはめ込む。
導電膜
電気を流れやすくするために正極缶の内側に吹きつける。
負極集電体と-(マイナス)端子
炭素棒と-(マイナス)端子がひとつになった集電体を-(マイナス)極側から差し込み、密閉する。