「集中豪雨」と「ゲリラ豪雨」の違いって?

POINT
集中豪雨狭い範囲に数時間以上強い雨が降り続けること。
ゲリラ豪雨「局地的大雨」のことで、数十分のうちに狭い範囲で強い雨が降ること。

ゲリラ豪雨のイメージ

言葉の意味

集中豪雨のイメージイラスト

集中豪雨

気象庁では「同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数100mmの雨量をもたらす雨」のことを集中豪雨と定義している。

重大な水害や土砂災害をもたらす可能性があり警戒が必要である。梅雨前線(5~7月ごろ)(※)や秋雨前線(8月後半~10月ごろ)などによって発生することが多い。

前線とは温かい空気と冷たい空気の境目のことをいう。この場所では、上昇気流が起こり、雲が発生しやすくなる。

ゲリラ豪雨

予想できない奇襲のような局地的大雨のことを意味し、特にマスコミ用語として使われる。急激に雨が降り災害にも発展するような、強い夕立のようなものである。

気象庁の定義ではゲリラ豪雨は「局地的大雨」や「短時間強雨」のことで、局地的大雨は「急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨」と定義されている。

雨が降る原因

積乱雲

積乱雲(せきらんうん)

どちらも入道雲や雷雲などと呼ばれる積乱雲から発生する。積乱雲とは上昇気流によって山のように巨大になった雲のことで、ゲリラ豪雨はひとつの積乱雲が発生して消滅するまでに起こる強い雨で、短時間で終了する。

ゲリラ豪雨からさらに条件が整うことで積乱雲が次々と発生し長時間にわたり強い雨になってしまうのが集中豪雨となる。

言葉の由来

雨が降っている景色

集中豪雨

元はゲリラ豪雨と同じくマスコミ用語。1953年の京都府の南山城水害や1985年の島根県の豪雨などの新聞記事で使われたことから広まったと言われる。

死者が大勢出たような災害でも、狭い範囲すぎて被害が出るまで気が付かなかったようなものに対して付けられた名称で、現在は気象学においても定着した名称。

ゲリラ豪雨

19世紀にナポレオン率いるフランス軍がスペインに攻め込んだが、スペインの民衆が対抗してフランス軍に少人数の奇襲攻撃(ゲリーリャ)を仕掛けるという出来事があった。そこから「予想できない奇襲」のことをゲリラと呼ぶようになった。

ゲリラ豪雨も、短時間で狭い範囲に奇襲のように襲ってくる雨としてマスコミにおいて定着し、2008年には新語・流行語大賞にノミネートされた名称。