「アルミ缶」と「スチール缶」の違いって?
POINT
アルミ缶 | アルミニウムまたはアルミニウム合金を材料としている、主に飲料に使用される缶のこと。缶の強度が低いため、強度を内側から補ってくれる炭酸飲料などに多く使用されている。 |
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スチール缶 | 鉄の合金を材料としている、主に飲料に使用される缶のこと。缶の強度が高いため、高温・高圧での殺菌が必要なコーヒーなどに多く使用されている。 |
記事の目次
アルミ缶とスチール缶の違い
アルミ缶とスチール缶は身近なところで言えば、いずれも缶飲料の容器に用いられる缶である。使用する金属が異なる両者は、材質の特性・使用に向く飲料についても違いがみられる。
材質の特性
アルミ(アルミニウムまたはアルミニウム合金)を使っているアルミ缶は、軽くて柔らかいという特性を持っている。スチール缶と比べると、強度は低い。
他方でスチール(鉄の合金)を使っているスチール缶は、硬くて丈夫という特性を持っている。アルミ缶と比べ、強度が高い。
中身に向いている飲料
アルミ缶には、ビールなどの炭酸飲料を入れるのに向いている。ガスを含む炭酸飲料は缶の内側から圧力がかかるので、缶の強度を補うことができる。そこで強度の低いアルミ缶には、炭酸飲料が向いているといえる。
他方でスチール缶には、コーヒーやお茶などを入れるのが向いている。コーヒーなどは製造過程において、缶に中身を充填した後、高温・高圧をかけて殺菌する必要がある。強度の低いアルミ缶ではこういった作業に耐えられないため、強度の高いスチール缶が多く用いられている。
技術の進歩による変化
従来は、
- アルミ缶:強度が低い → 炭酸飲料など
- スチール缶:強度が高い → コーヒー・お茶など
といった容器の使い分けがなされてきた。しかし現在は技術の進歩によって、制限は徐々になくなってきている。
例えば、缶の中身を陽圧(=缶の内圧が外気圧よりも高い状態)にする技術が進み、アルミ缶の中身は炭酸飲料でなくても良くなった。
まとめ
アルミ缶 | スチール缶 | |
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材料 | アルミニウムまたはアルミニウム合金 | 鉄の合金 |
材質の特性 | 軽い・柔らかい | 硬い・丈夫 |
缶の強度 | 低い | 高い |
中身 | 炭酸飲料・果実飲料など | コーヒー・お茶など |